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50歳からの「春の冬眠」と、30年連れ添う難病の影

| Alaudae.JP

24時間、枕が親友。この時期、私の体は『強制シャットダウン』を選択する。

もう30年になりますか。難病「OPLL(後縦靭帯骨化症)」という、長く、少し厄介な相棒と歩んできました。今のこの状態がそのときの後遺症なのか、それとも別の何かなのかは分かりません。でも、50歳という節目を過ぎた頃からでしょうか。毎年、カレンダーが2月から3月へと差し掛かる季節の変わり目に、私の心身には「不可解なバグ」が発生するようになりました。

それは、何の前触れもなく、突然やってきます。
ある朝、目が覚めると体が鉛(なまり)に変わったかのように重苦しく、指一本動かすのにも決死の覚悟が必要になるのです。先週から始まった今年の「それ」は、特に頑固でした。食欲はどこか遠くへ消え去り、大好きな食べ物の匂いさえ、今の私には無関係な「記号」のように感じられます。

これって、いわゆる『うつ』なのかな?
自問自答することもあります。でも、心が沈んで動けないのとは少し違う。ただ、どうしようもなく、抗えないほどに、眠いのです。「安静」なんて言葉では生ぬるい。24時間、頬をベッドにぴったりとくっつけたまま、意識の底へ沈んでいきたい。まるで、世界が春を迎える直前にエネルギーを使い果たし、土の中で深い眠りにつく生き物になったような感覚です。

誤解してほしくないのは、これは「サボり」ではないということ。
「やらなきゃいけない作業」から逃げたい気持ちは、正直、毎日あります(笑)。でも、この動けなさを理由にサボりたいわけじゃない。だって、一週間も二週間もサボタージュして、結局一番損をするのは自分自身だって、嫌というほど分かっているから。

不思議なのは、この嵐が過ぎ去る時です。
一、二週間が経ち、ふっと落ち着くと、これまでの苦しみが嘘だったかのように消え去ります。「あの地獄のような重さは一体何だったの?!」と自分でも呆れるほどに。

医学的な名前があるのか、更年期のいたずらか、あるいは難病が落とした長い影なのか。この「空白の時間」は、私にとって人生最大のミステリー。私の体は一体、眠りの中で何を修復しようとしているのでしょうか。