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材料を、機械の状態に合わせる ― 防湿庫とAMSによるフィラメントの保管と乾燥

| Alaudae.JP

正直に書きます。うちの3Dプリンターは、今、全く動いていません。

最後に稼働させたのは2025年の12月です。それから八ヶ月、電源すら入れていません。

それでも、材料は今日から使えます。
保管庫から取り出して、乾かして、そのまま出力できる状態を保っています。


3Dプリンターを導入したのは2025年の1月でした。手芸用の治具を作って売るためです。

個人の趣味で使うだけなら、防湿庫は要りません。使いたい時に材料を買えばいいし、多少湿気ていても、自分が納得すればそれで済みます。

けれど、私が機械を買った目的は販売でした。
そうなると話が変わります。品切れになってから材料を注文したのでは、間に合わないのです。

注文が入る、在庫が切れる、材料を発注する、届くのを待つ、それから出力する。この順番では、お客様を待たせることになります。
そうならないように、材料は常に、すぐ使える状態で手元に置いておかなければならない。

もう一つ、我が家には事情がありました。
うちはボロ屋です。湿気の管理などできる造りではありません。
つまり私の場合、防湿庫は「あると便利なもの」ではなく、機械を買う時点で一緒に買うしかないものでした。


使っているのはHOKUTOの防湿庫 HB-102EMです。100Lのタッチパネル式で、オートドライと省エネ機能が付いており、デジタルの湿度表示と庫内のLEDライトが備わっています。
本来はカメラやレンズをしまうための道具ですが、フィラメントの保管にもそのまま使えます。庫内は20〜30パーセントほどで維持されます。

サイズは、開封済みのスプールが最大15個前後入るものを選びました。スプールに巻いたままでも、巻きを外した状態でも、それくらいは収まります。

振り分けは単純です。

未開封のものは、段ボールのまま保存しています。
未開封のフィラメントは、密閉された袋と乾燥剤に守られた状態で届きます。わざわざ封を切って庫内に移す理由がありません。

庫内に入れるのは、使用済みのものと、これから使う予定のものです。
一度封を切った材料と、近いうちに出番が来る材料。この二つだけを、限られた場所に置いています。

庫内を開けるのは、材料を出し入れする時だけです。開ければ当然、部屋の空気が入りますから。


さて、ここからが本題かも知れません。

保管は入口にすぎません。大事なのは、その先です。

封を切ったら、材料は一度乾燥させる必要があります。
開封してそのまま使っても問題のない素材もあります。けれどABSのような素材は、湿度20パーセント以下まで落としてやらないと、機械のほうに不具合が出ます。

湿気を吸った材料をそのまま流し込めば、ノズルの中で水分が沸きます。表面が荒れ、糸を引き、層と層のくっつき方が悪くなる。見た目が悪いだけならまだしも、強度が落ちますから、道具の部品としては使えません。

では、どうやって20パーセント以下まで落とすか。

最初は、Bambu LabのAMSに強力な乾燥剤を入れて、乾燥させながら使っていました。「KING 強力乾燥剤 オゾ 超即効タイプ」です。
ただ、この方法では湿度が安定しませんでした。下がることは下がるのですが、その状態を保てない。

困っていたところへ、Bambu Lab AMS 2 Proが発売されました。さらに借金を増やしてでも購入すべきだと、迷わず決めました。

これはセットしておけば自動で換気してくれるので、安定した湿度を維持できます。
あとは「KING 強力乾燥剤 オゾ 即効タイプ」を入れて、表示を見ながら管理するだけです。乾燥剤も、超即効タイプから即効タイプに戻しました。

さらに正確さを求めるなら、AMSの中に乾燥剤をセットできるパーツを自分で導入する、という方法もあります。
そして懐に余裕があるなら、Bambu Lab AMS HTを一台か二台足してやれば、作業はもっと楽になるはずです。私にはまだ手が出ませんが。


結局のところ、良いものが出るかどうかは、材料を機械の状態に合わせられるかどうかで決まります。
機械に材料を合わせるのであって、その逆ではない。

私はこれを、頭で理解したのではありません。合わせずに使って、不具合を重ねて、身体で覚えさせられました。
保管の話をしておいて何ですが、私にとって一番重要なのはここです。


ついでに、正直な話をもう一つ。

品切れの心配は、今のところ一度もしていません。

道具を作って売るために機械を入れ、排気の装置を半年かけて自作し、一年かけて製品にしました。それでも思ったようには売れず、プリンターは八ヶ月止まったままです。

それでも、材料は生きています。
明日どなたかから注文が入れば、庫から出して、乾かして、その日のうちに出力を始められます。材料を買い直す必要はありません。

備えというのは、そういうものなのだと思います。
使う機会が来なくても、来た時に応えられるようにしておく。使わずに済んだのなら、それはそれで構わない。


これから3Dプリンターを買おうとしている方へ。

趣味で使うだけなら、ここまでする必要はありません。
けれど、作ったものを売るつもりなら、機械の値段と一緒に、材料をどこに置くかと、使う前にどう整えるかまで考えておくことをお勧めします。

機械は、こちらの都合には合わせてくれませんから。